2013年10月09日

イワクラサミットin近江八幡、盛り上がりました。


10月5日(土)は、近江八幡市文化会館 小ホールで
「イワクラサミット in 近江八幡」が行われました。

イワクラサミットin近江八幡、盛り上がりました。

イワクラとは、磐座と書いてイワクラと読みます。
神社が出来る前の古代の祈りの場、と言ったらいいでしょうか。
日本全国、世界中にイワクラは存在してます。
あなたの街にも、伝説がある名前のついた大きな岩、しめ縄の貼ってある巨石、
神社やお寺のなかにある巨石など見覚えがありませんか?
そう、それがイワクラです。
ご神体として今日まで大切に守られているものもありますが、
忘れ去られ放置された磐座もたくさん存在します。
その岩たちに魅力を感じて、学んだり、研究したりするのがイワクラ学会
イワクラサミットは年に一度の持ち回りの全国大会です!

ご縁あって、今回のサミット、司会を務めさせていただきました。
信州で暮らしている私が、近江の地のイワクラと、会場のみなさまを
どう結んで、どう立ち回れるかなとかいろいろドキドキしながら会場へ
向かいましたが、みなさま、あたたかく迎え入れてくださり有り難かったです。
関心のあるたくさんの方が、滋賀県ははじめ、全国各地から集まっていました。

イワクラサミットin近江八幡、盛り上がりました。

最初は基調講演。「大国主神と磐座信仰」と題し、
村井康彦先生(歴史学者/滋賀県立大学名誉教授、京都造形芸術大学
元大学院長)にお話いただきました。
古代出雲、大和、伊勢のつながり。
日本神話から読み解く大和の地の出雲系の神社。
大和の三輪山と、出雲の仏経山のつながりと対比。
伊勢のマツリ方と、出雲のマツリ方の対比。
石・岩を扱うのが出雲系の特色などなど、とても興味深いお話でした。
「イワクラは大昔からのものを目の前に表し、千年 二千年むかしに
戻ることができる。そのためには現地を歩いて体験する必要がある。」と
80歳をこえたご年齢で、神社や山中に位置するイワクラをその足で
見に行き考察されたお話は、とても説得力がありました。
私の不勉強で、先生がお書きになり歴史界に震撼を与えた「出雲と大和」は
まだ読んだことがなかったので、さっそく取り寄せて読みたいと思います。

イワクラサミットin近江八幡、盛り上がりました。

続いて、講演1・「近江の石の聖地」
全国・世界各地の石を巡礼されているフォトグラファー須田郡司さん。
ご自身の撮られた写真を紹介しながらお話しいただきました。
どうして石の魅力に惹かれていったのか、修験者として修行していた頃からの
話もして下さいました。滋賀県の中にあるイワクラの写真の数々。説明を受けながら
見ているうちに途中から不思議と、いっしょに旅をしているような気持ちになって
面白かったです。
三上山の古代トンネルのイワクラは、韓国のコインドル(支石墓)にも似てるという
視点もなるほどと思いました。(写真:コインドル)

イワクラサミットin近江八幡、盛り上がりました。

この写真は、荒神山の蛇岩。蛇の頭の形をしており、親子なんだそうです。
彦根にある伊邪那美大神を御祭神とする比婆神社(岩窟の前に佇む神社)での
エピソードも大変興味深かったです。
「マツリとは神々が人間に乗り移って行うこと。人を通して労うこともある。
今もイワクラの前で行う祭りが残っている日本。この豊かさを感じている。」
という郡司さんの言葉が響いてきました。

イワクラサミットin近江八幡、盛り上がりました。

そして、最後、講演2・「瀬戸内海巨石文化圏」
お話いただいたのは、松山白石の鼻巨石群調査委員会主任研究員であり
イワクラ学会若手のホープ、篠澤邦彦さんです。
篠澤さんは、平成20年に愛媛県松山・白石の鼻巨石群の三ツ石を偶然
通りかかった時に「白石の鼻」の巨石が人工物であることを直感。
その後、集中的に調査・研究し、三ツ石が春分・秋分の夕日に太陽軌道に
合わせて石組みされていることを発見しました(写真)
しかも細いスリット線を入れて、その隙間から宝石のように
太陽の光が漏れるようデザインされていたそうなんです。
一年をかけて観測をし、白石の鼻巨石群と、春分(秋分)、夏至、冬至の
二至二分の夕日のラインが整列することを実証されました!
具体的なイワクラの構造的なお話や考察も、面白く、さすがイワクラ学会
若手のホープだと思いました。

そんなわけで、無事、大変内容の濃いイワクラサミットin近江八幡が終了しました。
質問も、意見も、活発に飛び交う、イワクラに想いを馳せる場となりました。
司会もなんとか、切り回せたのではないかと思います。

そうそう、場を和ませられればと、イワクラのダジャレを言いました。

イワクラってイイワ〜〜〜 クラクラ@_@♪

ヒャ〜〜と会場が冷めきるかと思いきや、拍手が沸いてよかったです 笑。

イワクラサミットin近江八幡、盛り上がりました。

サミットが終わった後、近江八幡の街中を散策。
日牟禮八幡宮(ひむれはちまんぐう)の近くにあるお堀は、どこか岡山の倉敷を
彷彿するような情緒がありました。

イワクラサミットin近江八幡を準備されたスタッフのみなさま、
イワクラ学会のみなさま、ご来場いただいたみなさま、
充実の一日、ありがとうございました&おつかれさまでした!

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10月19日(土)かんてんぐら満月LIVE
~葦木美咲Newアルバム『千年の森の物語』リリーススペシャル~

満月ライブまであと、9日
http://www.megami-music.com/event-live/kantengura/


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Posted by 葦木啓夏(Hiroka Ashiki) at 23:16│Comments(2)史跡・遺跡・考古学
この記事へのコメント
宮崎県は遠い。神様山巨石群はさらに遠い…
Posted by 緒方博文 at 2013年10月10日 20:53
12月22日冬至ですね。
確かに遠い、、、でも1度行ってみたいです。
Posted by 美咲美咲 at 2013年10月11日 20:40
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