2010年06月06日

女神のお腹と永遠の子供たち


私が住んでいる茅野市はじめ八ヶ岳山麓・霧ヶ峰・諏訪一帯には
縄文時代、特に縄文中期、大きな縄文集落が点在していました。
日本で一番人口密度が高かった時代がありました。


↑ 上、写真の遺跡。原村に今も眠っている「阿久遺跡(あきゅういせき)」は、
日本で最大の環状列石・集落として知られています。
諏訪の御柱の起源でもあるんじゃないかという話もあります。
下の本にそのことが載ってます。amazonはこちら
縄文発見の旅




↑ 阿久遺跡の全体像。縄文時代前期-中期にかけてここは大きな祭場
祈りの場となりました。



発掘された時、穴から落ちていた立石・列石を復元。
するとその方角に蓼科山が拝める。
中央広場内にある施設は、集団墓地と一体と
なって、山岳信仰ともかかわる地域一帯の
共同祭祀の聖地だったと考えられている。
(阿久遺跡と縄文人の世界 より)










↑ 蓼科山。この蓼科山(別名:女の神山)を中心に、どんな信仰が発展していたのだろう・・・?
縄文人に直接聞けない今となっては、遺物(土器・土偶・黒耀石・住居跡・石棒など)遺跡から
読み解くしかないけれど、その読み解きに鋭くアプローチしている人物が
実は茅野市内に住んでいます。

縄文のメデゥーサ」というを書かれた
田中基(たなかもとい)さんです。
昨年茅野で行われたイワクラサミットin茅野
パネラーとして大変刺激的なお話をしてくださったこと
記憶に新しいところです。

「縄文のメデゥーサ」を読んでいて、とても興味深い記述があったのでご紹介します。



■母・子神の永遠回帰像
いままで女神像土器造形上の最大の謎は、女神の身体部である土器胴部は
豊満な熟成女性の肉づきであるのに、その顔はなぜかくもあどけない幼童の面影をもって
つくられているのだろうか、この顔と肉体との不均等さは、どのような造形上、神話的思考上の
秘密に由来するものなのか、という点であった。そのことが御所前遺跡の出産する
女神像土器の出現によって、思わぬ方向から一挙に解けてきたのである。
御所前遺跡の出産する女神像土器をみると、女神母胎のはちきれんばかりに円形に拡がった陰唇から顔をのぞかせている嬰児神の顔と、それを生み出している母神の顔がなんと瓜二つだったのである。いいかえれば、母神の顔はその生み出す新しい生命と循環するかたちで二重化されていたのである。娘が再生したその母という時間とは逆行するかたち、母がその再生した娘の顔という自らをたえず生み出す生命の永遠回帰の形態的表現だったのである。・・・中略・・・この御所前遺跡の出産する女神像土器のおかげでこの特別の土器だけが出産の瞬間を描出するものではなく、すべての女神像土器は、その顔面部が母神の顔であると同時に、隆帯円文の外陰唇の窓から顔を表す出産の瞬間の嬰児神を描出した出産シーンの土器でもある、ということが逆にわかってきたのである。すべてが生み出す性としての女神の性格を、この顔面部の母子二重描写の中にもっていたのである。(縄文のメデゥーサ・田中基)


どうも、顔がかわいすぎると思っていたら。。。なるほど!でした。
ということは、これも、これも、これも☆








みんなみんな「女神(母なる宇宙)とその永遠性」につながろうとしてる!
この世界に産まれてくる万象万物は「女神(母なる宇宙)のお腹(おなか)」から産まれ、
「女神(母なる宇宙)のお腹」に帰っていく「永遠の子供」たちなのです。

蓼科山も別名・「女神山(めのかみやま)」と言います。
女神山を舞台に、“自分たちの生命が女神山を通して産まれ、女神山を通して還っていく”という
世界観、宇宙観、死生観が信仰として展開したというお話を、社寺研究家・ 荻原哲郎さんからお聞きしました。

縄文中期、同じ「万象万物が女神(母なる宇宙)のお腹から産まれた子供たち」という共通した世界観で八ヶ岳・中部高地の縄文遺跡で数々の造形物が作られているのがわかるような気がします。

この「女神のお腹(おなか)」とつながる世界観、宇宙観、死生観が
八ヶ岳中部高地縄文遺跡群の共通の思想体系であり、
その原則にしたがって祭祀が行われたり、土器や住居が造られたり
さらには阿久遺跡のような巨大な祭祀場が創られた背景になっているように思います。

そんな壮大な縄文の世界観・縄文人の心に、もっともっと触れてみたいです☆

●おまけ

「蓮華草/美咲」のミュージッククリップ。この歌の背景の世界観も
どこかつながっているような気がしています。

<参考写真>
阿久遺跡と縄文人の世界(長野県立歴史館)
精霊の王(中沢新一)
縄文のメデゥーサ(田中基)
国宝 土偶展(東京国立博物館)
縄文発見の旅(信濃毎日新聞編集局)  

Posted by 葦木啓夏(Hiroka Ashiki) at 11:16Comments(11)史跡・遺跡・考古学

2010年06月06日

黒耀石・古代グッズ/新月・満月LIVEスケジュール

さあ、今年から新月・満月は各地でLIVEをさせていただきます。
おかげさまで随分、予定が埋まってまいりました。
月曜日、火曜日は不人気?ですが開催希望者お待ちしています!
新月・満月は宇宙につながる扉が開く時。
みんなが出会うには最高のお日柄なので。

で、新月・満月LIVE。
一番ちかくは6月11日(金)新月ですね。伊那で行わせていただきます。
ぜひいらしてくださいね~♪

今後の新月・満月LIVEスケジュール

6月11日(金・新月)  伊那 ココンダ 新月LIVE
6月26日(土・満月)  茅野 かえでの樹 満月LIVE
7月12日(月・新月)  箕輪町 ライブ
7月26日(月・満月)  
8月10日(火・新月)  
8月25日(水・満月)  飯田 大原屋 満月LIVE
9月8日(水・新月)   松本 「新月Live in 松本」
9月23日(木・満月)  諏訪 御柱・小宮祭
10月8日(金・新月)  岡谷 御柱・小宮祭
10月23日(土・満月) 茅野 かえでの樹 満月LIVE
11月6日(土・新月)  飯田 中村文昭講演会
11月22日(月・満月)  大阪 満月LIVE 
12月6日(月・新月)   
12月21日(火・満月) 

で、新月・満月LIVEでは下のような黒耀石・古代グッズの販売をいたします♪
協力いただいているのは私が「黒耀石のふるさと親善大使」をつとめさせていただいている長和町の黒耀石体験ミュージアムのみなさん。
日本各地の古代人が集まってきたパワースポットで精魂こめて作られたハンドメイドグッズで~す!!(長和町黒耀石体験ミュージアム現地でもお求めになれますよ~)



黒耀石は最古のブランド品と言われ、邪気を吸い込み、
幸福を呼ぶ石・パワーストーンとして知られています♪  

Posted by 葦木啓夏(Hiroka Ashiki) at 10:30Comments(2)縄文の女神LIVE